2016年6月8日水曜日

握る男 原宏一

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「床下仙人」以来の原宏一さん
「床下仙人」はあんまり覚えていないけど、バカバカしい作品だったように記憶している。
そんな「床下仙人」のイメージとは全く違ったマキャベリズム溢れるビジネス小説になっている。
「握る」というのは
寿司を握る、人心を握る、権力を握るなど様々な握るのダブルミーイングとなっている。
この本で一番握られているのは寿司でも人心でもなく、「金玉を握る」という言葉が一番出てくる。
この本を読んでいると MBAなどで学ぶような正統派の組織論より相手の弱みを握って拒否できない状態にして使うことが基本じゃん。勉強なんていらないじゃん。
なんて考えてしまう。
成り上がっている過程ではこの見解は正しい。
ただし、この方法は振り子を向こう側に揺らしただけで、結局のところ振り子は戻って来る。
後半は振り子が戻ってきて、何が幸せなのかわからないことになり、最終的に「おれって 今の状態が幸せかも」と思わせるエンディングを迎える。

人生に目的があるとしたら「子孫を残すこと」、「自分とは何か」の二つがある。
そのうちの、「自分とは何か」の「自分の幸せとは何か」の問いに対する、人にとっての不幸せ とは何か の一つが載っていたような気がする。
結局のところ 自分にとって幸せとは何か は未だ探し中。

床下仙人をもう一度読み直して作風の違いを思い出したい。

そういう方向で。

[bookmeter] 床下仙人
http://bookmeter.com/b/4396328338

[bookmeter] 握る男
http://bookmeter.com/b/4041103207

角川オフィシャル 握る男
http://www.kadokawa.co.jp/product/321407000221/

紀伊国屋書店 握る男
https://www.kinokuniya.co.jp/c/20150714113045.html

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