2015年1月5日月曜日

鹿の王(上) 上橋菜穂子 その1

鹿の王を読み始める。
架空の話で、特に学ぶこととかなさそうだけど、結構みんな線を引いているらしい。

まず、線(ハイライト)を引いているのは

「生き物は皆、病の種を身に潜ませて生きている。身に抱いているそいつに負けなければ生きていられるが、負ければ死ぬ」

昔は脳卒中や結核が、死因の上位を占めていたが、現在ではガンが上位を占めることが多い。
ガンは、いずれかかる病気のような気がするので、まさにこの文章で言う所の 病の種。
常に勝ち続けることはできず、いつか負ける。
それまで勝ち続けることが フィジカル的に生きるということになる。
精神的に生きるということもあるので、いきるだけでも結構難しい。

次に目に付いたのが

「己が己に嘘をつく、その意味を思い続けることができる人だった」

ケンシロウのような どんな窮地でもなぜか生き残ってしまう ラッキーな人が父親のことを思い出す言葉。
この世界では、馬のような動物に乗る種族がいる。
このスーパーラッキーな人は、その鹿に乗るたびに、すまないが、乗せてもらうよといいつつ騎乗する。
鹿には鹿の人生ならぬ鹿生があったはずだけど、それを自分が捻じ曲げ、乗り回していることに関する反省。
これは大人になればなるほど感じることで、いつの間にか、自分を殺して生きることが当たり前のようになる。
これがいいことなのか、悪いことなのかわからないけれど、
己が己に嘘をつくことを認識するのは悪いことではない と上橋菜穂子は言っているようだ。

出てくる人も、程々で、テンポよく読み進めることのできる小説。

鹿の王
http://www.kadokawa.co.jp/sp/2014/shikanoou/


そういう方向で。

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